はじめに
『何か問題を解決しなければならないときに、ぐっと集中を高めて、速く的確な判断ができる。脳に蓄えられている記憶をパッと思考に結びつけ、臨機応変な対応ができる。』脳の力量を『脳の基本回転数』というとします
『』部分は、築山節著 「脳が冴える15の習慣」より引用。以下も同様。
脳の基本回転数を上げるにはどうしたら良いでしょう。
その方法についてです。
本題
脳の基本回転数を上げる前提条件として、まず脳の活動を安定させることが重要です。
『朝、ある程度一定の時間に起き、太陽の光を浴びる。脳がもっとも活発に活動する時間帯に仕事のピークを合わせ、夜はできるだけ早く寝る。そうやって生活のリズムを安定させると、脳の活動も安定してきます。』
サーカディアンリズム(概日リズム)は体内時計として知られていますが、脳波、ホルモン分泌などにもサーカディアンリズムが存在します。
約24時間周期のこのサーカディアンリズムは、実際は24時間ちょうどでないために生活リズムと少しずつずれていきますが、朝一定の時間に光を浴びることでリセットされます。
脳もサーカディアンリズムに支配されるため、脳の活動を安定させるためには生活リズムと合わせる必要があり、そのためには朝一定の時間に起きて太陽光を浴びることや、夜も早めに寝ることが大切というわけです。
私の場合も、生活リズムが乱れると、頭がぼーっとして、軽い時差ぼけのような感じになります。
脳の基本回転数を上げるには
一つには『脳が十分にウォーミングアップされている必要があります。』
脳のウォーミングアップは『できるだけ大ざっぱなことから始める方がいいです。(中略)足・手・口を意識して動かす(後略)』『運動系の機能を使うのが思考系の活性化のためにも有効』
そして『時間の制約が必要です。』
『何時までにこれだけの仕事をしなければならない、何個の問題を解かなければならないという状況が与えられていないと、速さである脳の基本回転数は上がりません。』
さらに
『一度脳の基本回転数を上げると、その状態がしばらくは続く』
歩いたり軽く体操したり、会話をしたりすると脳の血流が良くなるのは確かでしょう。
特に寝起きの時は何もしないまま時間が経ってもなかなかスッキリしませんが、散歩をしたりすると色々アイデアも浮かんでくるくらいに頭が回るようになります。
時間の制約については、何度か、会社のレポートが時間があるうちはなかなか進まなかったのに、締め切りの直前になると火事場の馬鹿力が出て一気に仕上げることができた経験をしました。
これは私だけではなく他の人たちも同様でしたから、時間が迫っているという状況は人の集中力を増しやる気を駆り立てるものだと思います。
しかもその後も、高揚したような気分になり頭の回転も良くなっていましたから、一度脳の基本回転数を上げるとその状態がしばらく続くというのも経験しました。
また学生ならば、テストの直前になると、それまでなかなか出来なかった暗記が捗り、テキストの復習もバリバリと進むのを経験しているでしょう。
時間の制約を設けるといっても、単に何時までに仕上げようと思うだけでは、実際の締め切りではないのでどうしても甘えが出てしまうと思います。
時間の制約を設けるのには、この仕事・作業はこの時間までに終了しないといけない状況を作ることです。
そのためには、一定時間後に他の予定を入れてしまうのも良いでしょう。
『まずは脳に準備運動をさせて、基本回転数が上がりやすい状態をつくっておく。次に、時間の制約がある中で仕事をし、集中力、頭の回転の速さを高めます。この時間の制約というのは、長くても二時間が限度でしょう。それ以上長くすると、(中略)緊張感が生まれません。』
『時間の制約がある「試験を受けている状態」が終わったら、(中略)基本回転数が上がっている状態を利用しましょう』
二時間というのは人により、状況によるのかもしれませんが、人が集中できる時間が90分程度までと言われますから、その面からも妥当なところかもしれません。
どう見ても六時間はかかる仕事を二時間で済ませるのは無理がありますから、ある区切りが(基本回転数を上げた状態で)二時間で終わるように、仕事・作業をある程度分解しておく必要があるでしょう。
その代わり、一日に何度か「試験を受けている状態」を作って、仕事を終わらせます。
『だんだん基本回転数が落ち、また脳が疲れてくるので、休憩を挟みましょう。脳に休養を与えたら、再びウォーミングアップ→試験を受けている状態→基本回転数が落ちるまで仕事・・・を繰り返します。』
休憩を挟んだらウォーミングアップから始めるのがポイントですね。
散歩をしたり机の上を片付けたり、会話したりして、運動系の機能を使うのがウォーミングアップになります。
まとめ
規則正しい生活をして脳の活動を安定させましょう。
仕事・勉強等の前に脳のウォーミングアップをしましょう。
仕事・勉強等をする際には時間の制約をしましょう。
出典・参考文献 築山節著 脳が冴える15の習慣 ―記憶・集中・思考力を高める NHK出版
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