マンダラートというアイデア発想法

知的生産

目次

はじめに

マンダラート(Mandal-Art(c))は今泉浩晃さんが考案したアイデア発想手法です。

Scappleを使ってマンダラートのマンダラを書き、またマンダラを読み解いて文章化しようと思います。

マンダラートとは

下図のような9マスのマス目の中央に検討したいテーマを書き、その周辺のマス目に、テーマと矛盾しないことを書き込んでいきます。この9マスを埋めたものをマンダラと呼びます。

Mandal-Art format

下図は完成したマンダラです。

Mandal art dinner menu

9マスが埋まって、更に、周辺のマスを新しいテーマとしてさらにアイデアを展開したいときは、そのマスを中央に置いた新しいマンダラを書きます。

下図は、上図の夕飯メニューで、天ぷらのマスを展開したマンダラです。

Mandal art dinner menu2

全ての周辺のマスに対して新しいマンダラを展開した場合、全体で9個のマンダラができます。これらを正方形に並べて大マンダラと呼んでもいいでしょう。

マンダラが完成した後は、マンダラを読んで文章化します。

 

マンダラは、トポロジー的にはマインドマップやアウトライナーと同じ構造です。

9マスのマンダラはマインドマップでセンターイメージから8本のメインブランチが伸びた状態に相当します。

周辺のマスを新しいマンダラとして展開した形は、マインドマップでメインブランチから8本の細いブランチが伸びた状態に相当します。

特徴

マンダラートはフォーマットが決まっているために、書きやすく、また書いた後で思い出しやすいです。

マス目を埋めるという強制力に従って、アイデアのヒントや頭の中の情報が引っ張り出されてきやすいです。

紙とペンで手軽に書くことができます。

必然的に短い、論理的に要約された言葉で書くことになります。

特殊な書き方も可能

トポロジー的にはマインドマップと同じ構造のため、基本に沿って中央から書くとマインドマップと同じ制約(結局は分類手法であるということ)を受けるわけですが、マインドマップが幹から枝、葉へと上へ伸びていくのに対して、マンダラートは、葉から枝、幹へという下方向への書き方も可能です。

つまりマンダラートでは、周辺のマス目から書き始め、中央のマス目に周囲を統合した形でテーマを書く、という統合の方法も可能です。

KJ法では無制約に出た情報を、小分けにして小グループを編成し、見出しをつけ、その見出しを使って中グループを編成し、とだんだん大分けにしていきます。

それに対してマンダラートでは、周辺の8つのマス目に入る小グループを編成し、中央を書き、その中央を8つ集めて2段階目のマンダラを作り、という形でだんだん大分けにしていくことが可能です。

つまりマンダラートでは、小グループが最初から分けられているという点で限定的ではありますが、KJ法のグループ編成の手法と類似のことが可能ということになります。

そしてその後マンダラを読み下すと、KJ法B型と類似のことが行えます。

マンダラの書き方

基本は中央から周囲に書いていきます。

周囲には、テーマ(中央のマスの内容)と矛盾しないことを書きます。

同じ系列を軸で揃えると論理的に書きやすいです。

同じ系列を軸で揃えるとは、例えば、要素Aに対して反する要素A*、要素Bに対して反する要素B*があるとするとき、要素AB, AB*, A*B, A*B*を以下のように4隅に配置することです。

Mandal art 4angle

これによって左端の列は要素Bで揃い、上端の列は要素Aで揃い、下端の列は要素A*で揃い、右端の列は要素B*で揃います。

例えばコンピューターで用いるデータについて、電子データをReadする、Writeする、印字データをScanするPrintするという4つのヒントを思いついたとします。

これは、データとして電子的か物理的か、方向として読み込みか書き込みか、という点で区分できますので、下図のように並べることができます。

Mandal art computer data

すなわち左端は電子データ、上端は読み込み、下端は書き込み、右端は物理データで揃います。

次に空いたマス目を埋めます。

ReadとWriteの間は、電子データを読み込んで加工してWriteすると考えると、加工する、となります。

ReadとScanの間は、電子データや物理データを読み込んで記憶すると考えると、記憶する、となります。

WriteとPrintの間は、電子データや物理データを書き出して保存すると考えると、保存する、となります。

ScanとPrintの間は、物理データを読み込んで変換してからPrintすると考えると、変換する、となります。

すると完成したマンダラは下図のようになります。

Mandal art computer data 2

5Wマンダラ

特殊なマンダラです。

中央に人系の情報、上に行動系の情報、下に行動の根拠系情報、右に時間系上場、左に空間系情報、について書き込みます。

横軸を「社会軸」、縦軸を「主体軸」と呼びます。

5Wマンダラとは、自分が発する「問いかけ」の群です。

Mandal art 5w

例えばWA?の行動系情報の問いには、行為・行動・動作・任務・目的・目標・願望・企画・対象・事象・現象・ヒト・モノ・コト等のようなことがあります。

WO?の人系情報の問いには、わたし・あなた・みんな・主体者・対象・仲間・自分・自我・性格・経歴・生命・欲望・願望・生理・態度・姿勢・身体等のようなことがあります。

マンダラの読み方

私のお勧めの方法は以下の2通りです。

時系列に読む方法

2つ上の図のコンピューターデータに関するマンダラであれば、「コンピューターはデータを、物理情報としてスキャンし、電子データに変換し読み込み記憶し、加工して、電子データとして書き出し、保存して、再び変換し物理データとして印刷する」ということになります。

これはScanから始まりPrintで終わる流れに従い、マンダラを時系列に読み下したということになります。

論理的につながりのある方向に読む方法

大マンダラまで展開し、各マンダラの内容を見ながら、論理的に説明のできる方向へと読み進める方法です。

コンピューターデータに関するマンダラであれば、時系列の読み方と一致するでしょう。

まとめ

マンダラートは、フォーマットで規定しているためにアイデアのヒントや情報を出しやすく、書いた後で思い出しやすいです。

基準の書き方だけではアイデアのヒントや情報を大分けから小分けへ向かって分類する形になってしまいますが、周辺から中央へ向かう書き方を取り入れることで、KJ法のグループ編成と同じく、アイデアのヒントや情報の統合が行えます。

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