1日に必要な運動はどれくらい

健康

はじめに

生活習慣病になると脳の働きも低下します。

例えば高血圧になると脳が酸素とブドウ糖を十分に利用できなくなりますし、糖尿病になるとブドウ糖の利用が難しくなります。

生活習慣病等および生活機能低下のリスクを低減するためには、バランスのとれた食事をとる、減塩する、食物繊維を多く摂る、などの食事面に気をつけるほか、以下の日常生活上の身体活動や定期的な運動が必要とされています。

必要な身体活動量・運動量

日常生活上の身体活動

 必要量 18歳〜64歳まで 3メッツ以上の身体活動を、週あたり23メッツ・時行う

3メッツ以上の身体活動とはどのような活動でしょうか?

歩行の場合では、速度別に次のようになります。

歩行の内容 速度 強度(メッツ)
普通歩行 分速67m(1時間に4.0キロメートル) 3.0
ほどほどの速さで歩く 分速75~85m(1時間に4.5〜5.1キロメートル) 3.5
やや速歩 分速93m(1時間に5.6キロメートル) 4.3
かなり速歩 分速107m(1時間に6.4キロメートル) 5.0

以下、身体活動別のメッツ数です。

3メッツ以上の身体活動の例 強度(メッツ)
家財道具の片付け 3.0
台所の手伝い 3.0
犬の散歩をする 3.0
掃除をする(掃き掃除、掃除機) 3.3
掃除をする(モップがけ、床磨き、風呂掃除) 3.5
階段を下りる 3.5
楽に自転車に乗る(8.9km/時) 3.5
自転車に乗る(16km/時未満) 4.0
階段をゆっくり上がる 4.0
階段を速く上がる 8.8

週あたり23メッツ・時というと普通歩行の場合で1日あたり1.1時間必要になります。

これは距離にして4.4キロメートルですから、1歩約70cmとして約6000歩になります。

3メッツ未満の日常の身体活動量は歩数に換算すると2000〜4000歩とされますから、合わせて8000〜10000歩となります。

日常の3メッツ未満の身体活動量の少ない人は、意識して10000歩を歩くことが望ましいです。

なお、体重60kg歩幅70cmの人が3.0メッツで10000歩を歩くと消費カロリーは約330kcalとなります。

体重45kg歩幅60cmの人では約210kcalです。

計算式 消費カロリー(kcal)=メッツ*体重(kg)*運動時間(時)*1.05

ところで日本人の15歳以上の1日の平均歩数は、平成21年の調査で、男性7200歩ほど、女性6400歩ほどとなっています。

男女ともにあと3000歩ほど歩きたいところです。

3000歩の追加と考えると相当な量に感じますが、普通歩行(時速4.0km)で約30分歩けば達成可能です。

朝、昼、夕に、普段の歩行に追加して、あと10分ずつ余分に歩けば良いわけです。

定期的な運動

 必要量 18〜64歳 3メッツ以上の運動を週あたり4メッツ・時行う

これは週に1回、4.0メッツの運動を1時間か、8.0メッツの運動を30分行えば達成可能です。

以下、運動別のメッツ数です。

運動の例 強度(メッツ)
ボウリング 3.0
太極拳 3.0
自転車エルゴメーター(30〜50ワット) 3.5
卓球 4.0
ラジオ体操第一 4.0
かなり速歩(107m/分) 5.0
ゆっくりとした平泳ぎ 5.3
ゆっくりとしたジョギング 6.0
自転車エルゴメーター(90〜100ワット) 6.8
ジョギング 7.0
エアロビクス 7.3
サイクリング(約20km/時) 8.0
ランニング(134m/分) 8.3
クロール(普通の速さ) 8.3
ランニング(139m/分) 9.0
ランニング(161m/分) 9.8
クロール(速い 69m/分) 10.0
武道・武術(柔道、柔術、空手、キックボクシング、テコンドー) 10.3
ランニング(188m/分) 11.0
自転車エルゴメーター(161〜200ワット) 11.0

 なお、65歳以上では、運動の強度を問わず、週あたり、10メッツ・時行うのが必要とされています。

運動の強度を問わないというのは、3メッツ未満の身体活動で構わないということです。

3メッツ未満の身体活動の例 強度(メッツ)
立ち話 1.8
皿洗い 1.8
ゆっくりした歩行(53m/分未満) 2.0
洗車・ワックスがけ 2.0
植物への水やり 2.5
ゆっくりした歩行(53m/分≒3.2km/時) 2.8

また、 3メッツ未満の運動の例としては、ストレッチング2.3メッツ、ビリヤード2.5メッツ、座って行うラジオ体操2.8メッツなどがあります。

1週あたり10メッツ・時は、2.0メッツ程度の身体活動を、1日45分ほど行えば達成可能です。

これはもちろん、朝、昼、夕と15分ずつに分けてもいいです。

まとめ

脳の活性化のためにも生活習慣病等に気をつける必要があります。

生活習慣病等に気をつけるためには、日常の身体活動や定期的な運動が必要です。

日常の身体活動の必要量を満足するために、1日あたりあと30分歩くか掃除をする等の身体活動をしましょう。

定期的な運動量を満足するために、週に1時間運動しましょう。

65歳以上の高齢者の場合は、1日に45分ほどの軽い身体活動をしましょう。

参考文献 健康づくりのための身体活動基準2013 厚生労働省

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