ブックレビュー
書名 一流の記憶法: あなたの頭が劇的に良くなり「天才への扉」がひらく
著者名 六波羅穣
出版社 ニケ出版
形態 Kindle版
印象
この本を読んで実践すれば、受験生や学生なら受験・試験対策にもなり、普段の学習が効率的にできるようになるでしょう。
中高齢者ならば物忘れ対策にもなるでしょう。年齢を問わず頭が良くなると思います。
この本には多数の記憶術が具体的に書かれていますが、いくつか実践・練習したところ、数十桁の数字や数十個の単語も覚えられ、こんなに容易に記憶できるのかと驚きました。
また日常生活で物忘れが減ったのを実感しました。
この本の記憶手法は記憶力世界選手権でも使われている信頼できる手法です。
この本の方法で実践すれば誰でも記憶力が上がるようになると感じました。
AmazonのKindleストア有料タイトルで上位の売れ筋(2017年2月現在)であり、多くの人が肯定的評価をつけていることからも、効果の高い本だと思います。
詳細
各章とも順序立って整理され、具体的な例を挙げて説明されていて、わかりやすく読みやすいです。
第1章の記憶のメカニズムで、人が記憶し、思い出し、忘れる仕組みを学ぶことで、記憶を上手に行うための方法を思いつきやすくなります。
記憶の過程は、記銘(符号化)→保持(貯蔵)→想起(検索)という3段階から成り立っていますが、この3段階について詳しく解説されています。
忘却について、記銘の段階での記憶の失敗、保持の段階での記憶の減衰、想起の段階での検索失敗について書かれており、後の章でそれぞれの対処法が述べられます。
第2章の記憶の原則で、効率的に記憶をする上で必ず守らなければいけないルールが説明されています。
記憶の原則を押さえることが、記憶力を向上させることに役立ちます。
記銘の段階では、記名するための方法が書かれています。
保持の段階では、情報を長期的に記憶し長期記憶から情報を引き出すための、想起練習(反復法)のやり方(延長リハーサル、間隔伸長法)が書かれています。
想起練習は具体的には、一つの目安として、1回目は記憶してから数秒から30秒ほどのうちに複数回思い出す、2回目は数分以内に思い出す、3回目は1時間から1日以内に思い出す、4回目は1日後、5回目は1ヶ月後、というものです。
想起の段階では、手がかり依存性忘却に対処するための、関連付けの方法が書かれています。
関連づけるべき手がかりについて非常に詳しく、かつ具体的に書かれていて大変役立ちます。
上記の記銘、保持、想起の3段階に対応した方法を取って初めて、意図した情報を記憶し、必要なときに思い出せるようになります。
忘却への対処方法も、記銘、保持、想起の3段階に対応した対処法が述べられていて役立ちます。
第3章の記憶術で、多数の記憶術が具体的な使用例とともに述べられていて大変わかりやすいです。
例えば物語法という技法を用いることでマーケティング用語を17個覚えたり、数字イメージ変換システムという技法を用いることで円周率を30桁覚えたりする例がわかりやすく説明されています。
もちろん、これらの技法を身につければ他の単語・用語や数字も数十個以上、数10桁以上覚えられるようになります。
その他の記憶術も役立つものばかり、合計14の技法が紹介されていますが、どれも実践しやすく説明されています。
本書を通して学ぶことで、効率的に記憶術を学べ実践できます。
まとめ
記憶と忘却の仕組みから説き起こし、記憶方法と忘却への対処法が具体的に丁寧に書かれています。
その上で記憶術が述べられていますが、この本の記憶術は即効性があり、方法によっては読んですぐに使えるようになります。
受験・試験対策や日々の学習が効率よく進められるようになりますし、中高齢者の物忘れ対策にもなるでしょう。
また記憶術を実践することで頭が良くなると思います。
記憶術を実践しなければ記憶力は良くならない上に、加齢とともに物忘れが増えていってしまうかも知れません。
受験生や学生にはもちろん、中高齢者にも是非おすすめの本です。
<目次>
はじめに
第1章 記憶のメカニズム
記憶の過程
短期記憶
長期記憶
想起
忘却
第2章 記憶の原則
注意
想起練習
関連付け
手がかりの数
手がかりの負荷
情報の記憶しやすさ
手続き記憶の活用
忘却への対処
脳の状態
第3章 記憶術
関係法
語呂合わせ法
頭文字法
一連法
音楽活用法
物語法
連想結合法
変換記憶術
数字形システム・数韻システム
数字イメージ変換システム
ペグ法
身体部位法
イメージ式ペグ法
場所法
記憶術の活用法
おわりに
<著者について>
六波羅穣(ろくはら・じょう)
実用書作家。東京大学文学部卒。「役立つ知識を日本中に届ける」を合言葉に執筆活動をしている。
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