統合と記事化について
次に、整理した記録を、KJ法を使って統合します。以下KJ法の要約ですが、KJ法についての詳細は『発想法』をご覧ください。
カードを用意して、カード一枚に整理した記録のタイトル一つを書き込みます。こうして全てのカードに書き込みます。パソコンにMacを使うならば例えばScappleというKJ法の図面も描けるアプリを用意して、Scappleの画面上に整理した記録のタイトルをデータとして書き込んでいきます。以降はカードの例で述べます。
次にカードを見やすいように並べます。
自分が内容の上で近いと感じるカード同士を集めてグループを作ります。これを小グループと呼ぶとします。この時どのグループに属すべきかわからないと感じるカードはそのまま置いておきます。
小グループが多数できたところで、一グループのカードの内容をよく読み、なぜこれらのカードを一つのグループにしたのか論理的に述べて見ます。次にそのグループの内容を一行のタイトルにして、それを新たなカードに色を変えて書き込みます。
色を変えて書き込んだカードの下に、そのグループの他のカードを重ねて一束にします。こうして全てのグループを、色を変えて書き込んだカードが表紙になるような束にします。
このカードの束を使って、内容の上で近いと感じるカードの束同士を集めて新たなグループを作ります。これを中グループと呼ぶことにします。
この中グループがさらにグループ化できるほどの数があれば、これまでと同様のグループ化を行います。新たにできたグループを大グループと呼ぶことにします。大グループのそれぞれの束の一番上には、新たな色を使ってタイトルを書いたカードが乗っています。
こうした繰り返しで最終的に数個のグループになったとすると、それらのグループの一番上のカードの内容から一行のタイトルを作ります。これがテーマになっています。
例えば最初に400枚のカードがあり80の小グループになったとすると、カードの束が80できることになります。80の束で中グループを作り、20できたとします。そうして最終的に4つの大グループになったとします。この大グループの一番上に乗っている新たな色のカードを集めて、一つのタイトルにします。このタイトルがテーマになっているというわけです。
最終的に大グループまでできたとすると、まず大グループをKJ法A型を用いて図解化します。
図解化の方法は、グループを構成するカードの束の表紙をよく読み、表紙を論理的に最も納得がゆくように広げて並べます。これが論理的にしっくりくるという配置が見つからない場合は、そもそも適切なグループではなかったということになります。
表紙に書かれたタイトルを全て丸く枠取りし、タイトルとタイトルの間を棒線でつないだり、複数のタイトルを丸枠でつつみこむかして、タイトル同士を関連づけます。例えば棒線の場合は相互関係のあるもの(←→)、対立関係のあるもの(>–<)、因果関係のあるもの(-→)のようにします。丸枠で包む場合は同類であることを示します。
次に中グループも同じように図解化し、最後に小グループの図解化をします。小グループの場合は、カードの束の表紙ではなく、カードそのものを用います。
以上のようにA型による図解化が終わったら、次はKJ法AB型を用いて図解に基づいて文章化します。
文章化にあたっては、書き始めの箇所の近辺の、一組の個々のデータ群(KJ法用語でBADといいます)を同時に考慮します。BADを考慮し調べ文章化していると様々なヒントが出てきます。次に最初のBADに図解上近いところのBADへ書き進みます。もし文章が繋がらない場合は、図解を改定します。こうして次々と図解上近しいところのBADへ進んでいくと、やがて仮説が出てきます。文章化する際には、データの叙述か、自分が考えた部分かを区別します。
この、カード作り→グループ編成→A型図解→B型文章化を1サイクル行い、場合によっては、文章化の途中で出てきたヒントや仮説をカード化し、そのカードを用いて2サイクルめ、同様に3サイクルめと進みます。
こうしてできた文章を整えてブログの記事になります。
KJ法は巷間A型がよく知られていますが、AB型を用いることによってより多くの発想が得られます。KJ法は野外科学のみならず、様々な応用が利きます。例えば読書にも使えますし、KJ法AB型を用いることによって書物から多くのヒントが得られると思います。
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