生活習慣病にならないために 食物繊維の勧め

健康

目次

食物繊維のメリットはこんなにいっぱい

 

2型糖尿病の予防と、糖尿病患者の血糖値改善に

糖尿病の発症リスクは、穀物に含まれる食物繊維の総量が増えるほど、より低くなることがわかっています。

穀物に含まれる食物繊維の摂取量が10g増えると発症リスクが約25%低下しています(*1)。

糖尿病で治療中の人を対象の調査では、食物繊維の摂取量が一日あたり18.3g増えると、血糖値が平均約15mg/dL低くなっています(*1)。

 

循環器病の予防に

一日あたりの食物繊維の摂取量が多いほど、冠動脈疾患になりにくいことがわかっています。

食物繊維の摂取量が7g多くなると冠動脈疾患の発症リスクは9%低下しています(*1)。

一日あたりの食物繊維の摂取量が多いほど、脳卒中になりにくいこともわかっています。

食物繊維の摂取量が7g多くなると脳卒中の発症リスクは約7%低下しています(*1)。

 

食物繊維でコレステロール値の改善も見られます。

また、全粒穀物の摂取量が多いと、糖尿病や循環器病にかかるリスクが低くなっています。

 

食物繊維でこれらのメリットが得られるメカニズムの詳細はまだ解明していないようですが

腸内の、食物繊維を餌にする善玉菌が増えることで、コレステロール値を下げる働きがあると考えられている、善玉菌が作り出す物質が増える。

食物繊維はよく咀嚼することで満腹感が得やすく食べ過ぎを防止する。

胃腸での糖質の消化吸収が穏やかになり食後の血糖値が上昇しにくくなる。

腸内の、コレステロールや脂肪を多く含む胆汁酸を吸着して便として体外に排泄するため、胆汁酸の腸内での再吸収を減らす。

などが考えられているようです(*1)。

 

でもまだ食物繊維・野菜摂取不足

これだけメリットがある食物繊維ですが、我々は必要量に対してどれくらい摂取しているのでしょうか。

食物繊維の目標摂取量は、30歳以上で、一日あたり、男性20g(70歳以上は19g)、女性18g(70歳以上は17g)です。

それに対して30代男性で13g程度、30代女性で12g程度です。男女ともに年齢とともに摂取量は増えていますが、それでも60代で男女ともに足りません(*1)。

 

また野菜についても、厚生労働省は1日に350gの野菜(豆類、海藻類、キノコ類、イモ類を除いたもの)を摂るように勧めているのに対して、目標を満足している人の割合は2~4割程度です(*2)。

 

食物繊維・野菜をとろう!

野菜350gを一日3食に分けると120gずつです。

だいたい100gの目安はほうれん草1/2束、トマト小1個、にんじん小1本、きゅうり1本、レタス小1/2個、玉ねぎ中1/2個等です。

ほうれん草やレタス類はサラダで食べるとややボリュームがありますが、冷凍してから自然解凍して水分を絞ると非加熱のまま量が減って食べやすくなりますね。

 

食物繊維はうるち米100gあたりで0.5g、飯にすると0.3gです(*3)。

玄米は100gあたり3.0g、飯にしても1.4gありますから(*3)、できれば玄米を食べるか、白米に玄米や麦を混ぜて食べたいです。

食パンは100gあたり2.3gですが、ライ麦パンは5.6gあります(*3)。

野菜はいずれも100gあたりで、ごぼう(茹で)6.1g、トマト(生)1.0g、青梗菜(茹で)1.5g、玉ねぎ(水晒し)1.5g等です(*3)。

食品から食物繊維を20gとるのはなかなか大変ですから、3食でしっかりとる必要があります。

食物繊維の多い食材・食品一覧は以下の記事を参照してください。

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参考文献 

国立循環器病研究センター著 データでまるわかり! 国循のなぜこれが生活習慣病にいいのか? アスコム

*1は上記参考文献より引用

平成27年国民健康・栄養調査結果の概要 厚生労働省

*2は上記参考文献より引用

日本食品標準成分表2015年版(七訂) 文部科学省

*3は上記参考文献より引用

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